立ったまま寝る毎日

毎日を生きる

ごめんね。

ずいぶんぼくはたくさんの人を傷つけてきた。

傷つけて、傷つけられて、もう全部嫌になって、殺してバラバラにした死体をこっそり山に埋めてくるような、そんな人間関係ばかりだった。

 

誰かを傷つけてしまったことに怯えて、謝ったらもっと嫌われてしまうような気がして、最初から全部なかったことにしようとして、ぼくはみんな殺してきました。

 

「ぼくが悪い」と言えばそれで終わり。

君の気持ちなんて、ぼくの過ちなんて、1ミリもわからなくても、ただ「ぼくが悪い」と納得すればそれで終わり。あとは無理やり忘れるだけ。

 

ぼくはたくさんの人を傷つけてきたけど、要するに、ぼくは目の前にいない君にはなんだって言えるけど、目の前にいる君には何も言えないクズ野郎で、つまり臆病だってこと。本当のことなんて誰にも話したことがないような気がする。

君にひとこと「好きです」と伝えるために、ぼくは月を見る。つまり、臆病だってこと。

 

あの日、君がぼくに「助けて」と言ったこと、きみと手をつないで夜を歩いたこと、きみと朝ごはんを食べたこと。君は忘れちゃったかな。嫌いになっちゃったかな。

「君が元気ならそれでいいよ」なんて強がりながら、こんなことを書いて、いつか君が、これを読んでくれたら、なんて、きっと君はぼくのこういうところが嫌いだったのかもしれない。

名前だって、住所だって、連絡先だって知ってるのに、Twitterのアカウントを教えてもらえないだけでぼくは君に直接謝ることもできない。臆病なんかじゃない、クズ野郎だね。

 

君はぼくのこんなところが嫌いだったのかもな。

ぼくはぼくのこんなところが気持ち悪くて、情けなくて、惨めで、大嫌いです。

 

いつの間にか君がいなくなっちゃったこと、ぼくは頭が悪いからわかりません。ぼくのことを好きとか嫌いとか、ぼくはもう君のなかから消えちゃってるかもしれないのに、頭が悪いからわかりません。ただ、一緒に食べた真夜中のマックのポテトみたいに、くたくたになった君のセーターの手触りを、よく、覚えています。

 

いくらぼくが勉強をしたって、君の好きな子の真似をしたって、ぼくは君の好きな子にはなれないと思う。でも、きっと努力するべきだったんだね。それが行動で表すってこと?それがただしい愛だったのかなぁ。

 

いっそ君に殺されてバラバラになって埋まってしまいたい。

 

ぼくがぼくのことを嫌いになればなるほど、ぼくはこんなに君のことが好きだったんだなぁと、君がいなくなってからやっと気づいたよ。こんなに好きでした。本当にごめんね。